06853 七草粥を食べつつ回覧板が現存することに驚く昭和99年
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Facebookを見ていたら、「回覧板」が使われているという話題を目にしました。shio.iconの記憶では、回覧板を使っていたのは1970年代まで。とても昭和な響きと懐かしさを感じます。戸建てとマンションとの相違などあるのかもしれませんが、少なくとも21世紀、あるいは令和の今日にも回覧板が使われているのですね。
今日的な方法はwebでしょう。回覧したい情報はwebに出し、QRコードでURLをシェアすればOK。サイトにQRコードを掲出し、それをスマートフォン等で表示してご近所で見せ合い、読み取りあえば良い。
回覧板ですと伝えたい情報が1個の物体に乗せられて、人から人へと直線的に移動していきます。次の人に回覧板を渡してしまったら、情報源は手元に残らない。例えばAさんが見てBさんに回したらAさんの手元からは情報源が失われ、再確認することもできません。誰かが回覧板を回さなかったら情報もそこに留まったまま。短時間で情報は行き渡らなくなります。
webなら全員がいつでも何度でも見ることができます。Bさんに伝えた後でもAさんは常に再度表示できます。1個の物体を直線的に回覧するのと異なり、一人から複数の人へ伝達できますから、伝えたい人々の間で情報が拡散されます。情報流通の速度が格段に上がり、全員への周知もはるかに早くなります。家族の一人がQRコードを受け取れば、家族の各人のスマートフォンなどで表示できますし、その各人がまた周囲の隣人へと伝達できます。
QRコードがそのサイトに掲出してあれば、一度でも表示した際にブックマークしておけばいつでも何度でも表示できます。もし開けなくなった人がいても、家族や隣人がスマートフォン等でサイトを開きQRコードを見せてあげれば、それを読み取ってサイトを表示できます。一例としてshio.iconの授業で資料配布しているサイトはこちら(→/shiolectures)。2018年4月からこの方法です。QRコードが見えているページ(それはつまりその日の授業用ページ)を開けばQRコードが冒頭に表示され、周囲の人はそれをスマートフォン等のカメラアプリで読み取ることによって即座にこのサイトを開けます。 回覧板という物体から情報を切り離し、情報だけをwebに置く。日常的にそれを確認する習慣などなくていい。元々回覧板なのですから、伝えたい新着情報を掲載したら、従来同様、ご近所に「お声がけ」すれば良い。その際にサイトのURLがわからない相手にはQRコードを提示すればOK。従来通り、立ち話もできるし、ご近所づきあいも継続されるでしょう。
自治会や町内会の人々が回覧板やQRコードを回す機会にお互いの顔を見て様子を感じ取り、世間話や近況を伝え合うのはとても良いこと。温かいコミュニティの醸成に寄与します。災害時の協力関係を平素から築いていくためにも大切です。しかし、Facebookで色々な地域の状況を聞くと、年をとって回覧板を回すために歩くこともままならない老人にとっては回覧板が酷だったり、中には1,000枚以上のビラを印刷して配布するといったことも行われているらしい。そのコスト、無駄でしょう。大きく拡大して読めるiPadなら老眼にも優しい。内容を忘れてしまっても何度でも見直せる。過去や前年の情報もすべてストックされるから、いつでも例年との比較ができる。IT化のメリット、大きいと思うのです。
回覧板は些細な一例。
これ以外に、企業や組織の中で、色々と昭和な悪弊がいまだに蔓延っています。それを払拭する2024年にしましょう。2時代前の20世紀にやっていたことを21世紀の令和にも営々と続けていることによって日本の前進が阻害されます。
2024年は昭和99年。来年が昭和100年ではなく、ホンモノの令和7年を迎えられるよう、今年のうちに昭和の悪習を払拭しましょう。
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